進学や就職に利用できる資格を探している人、個人事業主として経理の知識が必要になった人。そんな人に最適な資格が日商簿記3級です。
簿記には、日商簿記、全経簿記、全商簿記という3種類の検定試験があり、これはそれぞれの主催団体が実施しているものになります。ここでは最も知名度の高い日商簿記についての解説をしていきます。
日商簿記とは、日本商工会議所及び各地商工会議所が主催する検定試験になります。
この記事では忙しい社会人が効率的に簿記の資格を取るために何をすればよいかを解説していきます。
簿記3級について詳しく解説していきます
- 簿記3級におすすめな勉強方法
- 簿記3級に合格するための勉強時間
- 仕事と勉強を両立するための考え方や具体的な方法
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簿記3級の試験概要について
日商簿記には、1級、2級、3級、簿記初級、原価計算初級の5種類の検定試験がありますが、その中でも3級は社会人として必須の基本知識という位置づけの資格になります。
3級をとることで、2級や1級といった上位の資格にチャレンジしやすくなります。また、一般的な知名度が高く、履歴書に書ける資格として進学や就職などに利用することもできます。
試験内容と合格基準
試験科目は商業簿記になります、商業簿記とは商品取引を帳簿に記録して、会社の財政状態の増減などを管理する会計処理のことです。試験時間や合格基準は以下のようになります。
試験科目 | 試験時間 | 合格基準 |
---|---|---|
商業簿記(3題以内) | 60分 | 70%以上 |
引用:商工会議所HP
簿記3級の申込方法
申し込みは基本的に最寄りの商工会議所から行います。申込受付日時、申込受付方法は、商工会議所によって異なります。なお、受験資格はありませんので、誰でも受験することができます。試験は従来の統一試験と近年開始されたネット試験があります。
《統一試験》
年3回(6月、11月、2月)実施される筆記試験
申込は最寄りの商工会議所から行います
⇒商工会議所HP
《ネット試験》
自分で日程を選んで申し込みする。パソコンを使って解答する試験
申込方法はインターネット申込方式と会場問い合わせ方式の2種類です
⇒商工会議所インターネット申込方式はこちらから
⇒会場問い合わせ方式はこちらから
簿記3級の受験者数と合格率
統一試験とネット試験それぞれの合格者数や合格率になります。回ごとに合格率の差はありますが、3人に1人以上が合格できる試験と言えます。
《3級 統一試験》
回 | 実受験者数 | 合格率 |
---|---|---|
164回 | 26,757名 | 34.0% |
163回 | 31,556名 | 36.5% |
162回 | 32,422名 | 30.2% |
《3級 ネット試験》
期間 | 受験者数 | 合格率 |
---|---|---|
2023.4~2023.9 | 102,672名 | 39.0% |
2022.4~2023.3 | 207,423名 | 41.2% |
2021.4~2022.3 | 206,149名 | 41.0% |
引用:商工会議所HP
簿記3級の試験対策
簿記3級に必要な勉強時間
簿記3級に必要な勉強時間はおよそ50時間~100時間、勉強期間はおよそ1カ月~3カ月といわれています。各自の知識や経験によって必要な勉強時間は変わってきますが、初心者が合格を目指す場合はおよそ3カ月で100時間の勉強時間を一つの目安にすると良いでしょう。
試験までのスケジュール
最短1カ月で合格したい場合は1日3時間以上の勉強時間が必要になります。2カ月程度で合格したい場合は1日1~2時間の勉強時間、3カ月でしっかり取り組みたい場合は1日1時間以上の勉強時間を目安にするのが良いでしょう。
毎日勉強時間を確保することが難しい場合は、休日にじっくり取り組んで、その分平日は短い時間で集中して勉強していくことが良いでしょう。
統一試験の場合は試験日から逆算して勉強を始める必要がありますが、ネット試験の場合は実力がついた時点でチャレンジできます。
試験当日の持ち物
- 身分証明書
- 電卓またはソロバン(どちらか1台)
- 受験表
- 筆記用具
- 身分証明書
- 電卓
持ち物は必ず受験要綱でも確認しましょう!
初心者におすすめの勉強方法
勉強方法は主に3つあります。それぞれメリットとデメリットがありますので、自分に一番合った方法を選んで学習していきましょう。
- 資格スクールなどで講座を受講する
- 通信講座の動画教材で学習する
- 書店などで参考書を買って学習する
簿記スクール受講のメリットとデメリット
資格スクールなどで授業を受けるメリットは対面型のため質問がしやすい点です。また時間割が決まっていることで強制的に勉強する環境を作ることができます。
デメリットとしては、通学や授業の時間を決められた日時で確保しなければならない、対面授業のため受講料が割高になりやすいといった点です。
費用がかかっても確実に合格したい人や、決まった時間に授業を受けたい人はスクール受講が向いています。
簿記通信講座のメリットとデメリット
通信講座のメリットは自分に都合の良いタイミングで勉強ができ、動画なので分からないところは繰り返し視聴できる点です。
デメリットとしては時間が決まっていないことで自己管理しないと勉強が進まない、PCやタブレットなど動画を視聴する機器が必要になる点です。
忙しい人や日頃から動画の視聴に慣れている人は通信講座が向いているでしょう。
簿記参考書学習のメリットとデメリット
参考書学習のメリットは書店などで購入してすぐに勉強を開始できる点です。また、スクール通学や通信講座と比べて圧倒的に教材費を抑えることができます。
デメリットとしては、分からないことは自分で調べる手間がある、試験のコツや重要なポイントが読んだだけでは分かりづらい場合があるといった点です。
すでに学校やスクールで簿記を学んだ経験がある人や、独学に自信がある人は向いているでしょう。
社会人としての取り組み方
社会人になると学生の時よりも自由な時間が減るため、毎日2時間など予定通りに勉強をすることは簡単ではありません。効率的に勉強して試験に合格するためには、やみくもに勉強するのではなく環境を作ることが大事になります。
仕事と勉強を両立させる環境を作る
まずは日々勉強する習慣を作ることが重要です。勉強する時間をきめる、机の周りは整理整頓してマンガやスマホ等は持ち込まないなど、勉強する環境を作っていきましょう。また、仕事で忙しい時や気分が落ち込んだ時に無理をしないよう、余裕を持ってスケジュールを立てるようにしましょう。
短い時間でも効果的に学習する方法
効果的に学習を進めるためには、色々なテキストや情報に手を出さないことです。参考書は1冊を読み込んで理解を深め、練習問題は不正解の問題を重点的に解き直すといったサイクルを繰り返します。
スキマ時間を有効に活用する
仕事に行く際の通勤時間や、家事をしている時間は通信講座の動画やYouTubeで視聴できる簿記動画などを利用して耳で学習するようにしましょう。
簿記の用語や勘定科目のイメージが分かることで問題が解きやすくなります。
まとめ
簿記3級は就職や転職、個人事業主であれば確定申告にも使える使い勝手の良い資格です。
仕事の後や休日に勉強することは簡単ではないと思いますが、その分資格を取得した経験は大きな自信になるでしょう。簿記3級を有効活用してより良い人生にしていきましょう。
- 簿記3級の試験にはペーパー試験とネット試験がある
- 簿記3級に合格するための勉強時間はおよそ100時間
- 社会人は仕事と勉強を両立させる環境を整えることが大事
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